子どものやる気を引き出す親のアプローチ(3)
こんにちは。
進光ゼミナール西川田の岩崎です。
前回、前々回と、10/21、22に行われた、進光ゼミナールのオンライン保護者会でお話をさせていただいた、
「子どものやる気を引き出す親のアプローチ」について書いてきました。
今回は、これまでの内容を簡潔に、
子どものやる気を引き出すためのアプローチについて、まとめてみました。
私たちは、コミュニケーションをとる際には、
自分の価値観(自分の見方)、信念(思い込み)で、相手を理解しようとしてしまいます。
相手の価値観や信念を理解しようと努め、相手が話しやす環境を準備することが大切です。
相手の話をしっかりと聞き、共感的なコミュニケーションを心がける。
相手の話を聞くときには。相手の言葉だけではなく、
表情や仕草にも注意を向け、気持ちを察して伝える、共感的なコミュニケーションが、
さらに詳細を話してくれる呼び水になります。
相手が話しやすい環境を作り、共感的なコミュニケーションを持って、
相手の気持ちを引き出せたら、次は、皆様のメッセージを伝える番です。
Iメッセージを上手に使って、お子さまが受け入れやすいようにメッセージを伝えましょう。
最初は、うまくいかないこともたくさんあると思いますが、
「お子さまのために何かをしたい」と思い、行動することこそ、
子どもたちにとって、一番の幸せなのではないでしょうか。
皆様のお気持ちは、いつか必ず子どもたちに届きます。
そう信じて、日々、子どもたちを見守り接してあげて下さい。
子どものやる気を引き出す親のアプローチ(2)
皆さんこんにちは。
進光ゼミナール西川田教室の岩崎です。
前回に引き続き、10/21、10/22に実施いたしました、オンライン保護者会から、「子どものやる気を引き出す親のアプローチ」についてご紹介したいと思います。
今回は、オンライン保護者会で皆さんに取り組んでいただいた、
ワークについてご紹介をさせていただきます。
ワークでは、皆さんに絵を描いていただきました。
やり方は簡単です。
私が、ある絵をみながら、その絵を皆様に言葉で伝えます。
その私の説明を聞ききながら、どんな絵かを想像して、絵を描いていただきました。
例えば、「テーブルの上に花瓶があります」などのようにお伝えし、
皆さまには、できるかぎり、正確に絵をお描きいただきました。
(絵の説明)
・「中央に大きなテーブルがあります。」
・「テーブルの真ん中には、たくさんの本が積みあがっており、1冊は読み途中なのか、開かれたまま置いてあります。」
・「テーブルには、本の他に、紅茶の入ったカップも置かれています。」
・「そして、テーブルの横には、大きな犬がいます。」
絵の説明は以上です。
私の説明を聞いて、全く同じ絵が描けた方は、一人もいませんでした。
例えば、「大きなテーブル」の「大きな」も人によって、
どれくらいの大きさを大きいと感じるかは違うと思います。
例えば、子どもたちは普段学校で使っている、机を基準に「大きい」を考えるかもしれません。
何冊の本を「たくさん」と感じるのか、どれくらいの大きさの犬を「大きな犬」と感じるのかも、
皆様の経験や環境、状況によって、理解の仕方、表現方法、絵を描く技術も異なります。
人は、同じ言葉を聞いても、
それぞれの人が持つイメージや想像力が異なるため、絵も異なるものになります。
このように、異なる文化や価値観を持つ人々が共存する社会において、
それぞれの人が持つ感性や経験、知識などを尊重し、受け入れることが非常に重要です。
相手の言動や感情に対して肯定的に受け入れることを「承認」といいます。
詩人 金子みすずさんの言葉をかりるなら、「みんなちがって、みんないい」です。
私たちは、一人ひとり違う世界観を持っています。
まずは、ありのままに肯定的に受け入れましょう。
子どものやる気を引き出す親のアプローチ(1)
皆さんこんにちは。
進光ゼミナール西川田教室の岩崎です。
10/21(土)、22日(日)の2日間、進光ゼミナール全体で、
オンライン保護者会を開催させていただきました。
このオンライン保護者会で、私は、「子どものやる気を引き出す親のアプローチ」というタイトルでお話をさせていただきました。
オンライン保護者会でお話をさせていただいた内容を、このブログでも共有させていただこうと思い、これから数回にわたりご紹介したいと思います。
今回は、「思春期・反抗期」はなぜ起こるのか?
人間の自我形成について、ちょこっと心理学的なお話をいたします。
人間はオギャーと生まれてきて本来的な自我を持ちます。
本来的な自我というのは、世界と未分化な状態で形成されます。
世界と未分化というのは、世界と一体、もっと簡単にいうと、
神様と同じ、全ては自分の意のままになるという感覚で人間は登場してきます。
自分 以外に何もいないという状況で登場してくるわけです。
それが本来的な自我です。ですので、この本来的な自我は、
非常にわがままで自己中心的な自我です。
そして、人間は、生後6ヶ月前後からハイハイをしだします。
ハイハイをしだすろ、自分の知る世界が広がり、
どうやら自分じゃない誰かがいそうだな。ということに 少しずつ気がついてきます。
そして、生後1年経った頃から、自分の足で、立ち上がります。
立ち上がると同時に他者を発見します。
大概はお母さんを真っ先に発見して、それから周りの人たちを発見するのです。
そして、この他者の発見と同時に、自己(自分自身)が自覚されるわけです。
ここが非常に重要なポイントで、他者を理解する。発見しなければ、自己も確認できないのです。
他者あっての自己、という関係が成立しているのです。
人間にとって、他者は非常に重要な存在なのです。
他者が発見されると同時に、自己(自分自身)が自覚されるのですが、
その自己は先ほどお伝えしたように、本来的なわがままな自己なので、
ありのままの自分では、この他者と喧嘩せざるを得なくなります。
他者との軋轢(摩擦)が生まれるのですが、社会的に生きていく上では、
どうしても、それを解消しなければ生きられないわけです。
そこで、「心の中に内なる他者」として、お母さんとか、お父さんの価値観を取り込みます。
内なる他者を心の中に取り込んだら、それをモデルに「社会的な 自我」を作ります。
この「社会的な自我」が形成されるのが、だいたい3歳ぐらいと言われています。
3歳ぐらいになると、子どもは、しゃべるようになり、友達ができます。
幼児語ではなくて、大人の言葉を少しずつ喋るようになるのも3歳前後です。
こうして、子どもたちは、「社会的な自我」を作って、
徐々に幼稚園に行く、保育園に行くという形で社会的な活動に入っていきます。
子どもたちは、社会的な活動に入るまで、0歳から3歳ころまで、
子供は叱られたり、マイナスのストローク、マイナスの表現を受けることはありません。
赤ちゃんは「かわいいね」とか、大きな声で泣いていても「元気な声で泣いているね」と言われますが、「うるさいわね!静かにしてよ」とは言われません。
全て、 プラスのストロークを受けます。
そして、人間は、始めて立ち上がってから10年以上経つと、歩く達人になります。
そして、15歳前後になると、自分は 、お父さんやお母さんの奴隷ではないんだ。と考え始めるわけです。
お父さんお母さんが何でも決めなくても、僕も、私も決められるんだと、反抗期に入るわけです。
その時、無意識のうちに、内なる他者が否定されて、その内なる他者をモデルにしてできた、社会的な自我がゆらぎます。
今までの価値観が否定されるので、いろんな部分に変化がおこります。
本来的な自我と社会的な自我、これまで疑いようもなかったものが疑われるようになる。
この不安定な状態を、思春期や反抗期と言ったりします。
こうして、やっと親から離れて自分の価値観で判断できるスタートを切るわけです。
この不安定な時期に、子供と親子関係がねじれるわけです。
親は、この不安定な時期を、少しでも安定させるためには、承認活動が必要です。
当たり前に出来ていることを認められることで、他人から重要だと思われてる、
「こんな僕でも、私でも重要だと思われてる」と実感でるようになってくると、
セルフエスティームが高まります。
このとき、一番重要な他人が親です。
親から 重要だと思われていることが非常に重要です。
「お父さん、お母さんは僕のことを、私のことを理解してくれてる」と感じられると、
親関係はスムーズになります。
それを、「なんでこんな風になっちゃったんだ。昔のあなたに戻りなさい」という気持ちで、
無意識のうちに、お父さん、お母さんがアプローチしてると
「俺の気持ちを全く理解してくれなかった」と、ずっと恨みに思ってしまいます。
この恨みを持ち続けていると、そのままわだかまりが解消しないと、
子どもは、年をとっても、いつでも子供のまま、いい親にも、いい大人にもなれません。
最終的に親と和解しない限り人間は大人になれないのです。
この不安定な時期に、
「子どもたちが不安定になるのは、子どもが自立に向かうための大切な時期なのだから、
親の言うことを、素直に聞かない君でも仕方ない」ということを、
きちんと受け止め、当たり前にできてることを認める。
そうすることで、他人から僕は私は 重要だと思われてんだな。と実感し、
セルフエスティームが高まります。
セルフエスティームが高いと、他人から重要だと思われてる自分は、
何かできるのではないか、と可能性を感じるわけです。
この可能性を信じることが非常に重要で、これを自信といいます。
自分は何かできると信じること、自分の可能性を信じることが自信です。
自信の根拠なんてなくていいんです。
根拠のない自信が圧倒的に優れた自信なんです。 最初は自惚れでもいいんです。
自惚れは、痛い目にも遭うんです。
それでもめげないものが、根拠のない自信の強みです。
なぜかと言うと可能性がある。
今は失敗したけど、僕には可能性があるんだ。
次は成功するかもしれないぞ!と立ち上がっていくことができる。
それが、自分を信じる自信です。
根拠のある自信は、うまくできたから「僕は何でもできるんだ」となりますが、
うまくできなかったら何でもできるかどうか保証がありません。
うまくできたことに、よりどころを持ってる人は、
うまくできなかったらその自信が消えてしまいます。
少しくらいうまくいかなくても、
次はうまくいくだろうなと自分を信じることができるのが、セルフエスティームが高い状態です。
自分自身の可能性が信じられるようになることで、やる気が生まれまるのです。
後半戦のスタート
皆さんこんにちは。
進光ゼミナール西川田教室の岩崎です。
今日から、今年度の後半戦(2学期)がスタートします。
皆さんはどのように「秋休み」をお過ごしになったでしょうか。
私は、趣味のバスケの試合の観戦のために、新潟までちょっとした旅行に行ってきました。
それ以外の日は、日中は残っていた仕事を片付け、夜は本を読み、後半戦の目標を立てました。
私の今年度、後半戦の目標は、「期待値以上の価値を提供し、感動を生む」です。
塾に通っている生徒たちは、それぞれに目標や、塾に通う動機があるはずです。
中には、積極的な理由ではなく、塾に通い始めた生徒も多いはずです。
例えば、自宅ではまったく勉強をせずに、成績も振るわず、半強制的に保護者が入塾させた。など
そんな生徒たちにも、勉強する意味や、現在の努力が将来にどのようにつながっていくか、という意味づけをしたり、少しでも面白く、わかりやすい授業を行い、「わかる」をたくさん実感し、「できる」という成功体験と、その成功体験を承認することで自己重要感を高めるような取り組みを、教室スタッフ一丸となって取り組んでいきたいと思います。
そのためには、まずは生徒一人ひとり、また保護者の皆さま、お一人お一人の期待する価値を把握することが第一歩となります。
10月は、生徒面談、そして保護者面談にを通して、皆さまの価値を正確に把握することに尽力したいと思います。
オンライン保護者会を開催します。
皆さんこんにちは。
進光ゼミナール西川田教室の岩崎です。
進光ゼミナールでは、10月21日(土)、22日(日)にオンライン保護者会を実施いたいします。
今回の保護者会は、小学生、中学1、2年生、中学3年生、高校生に分け、zoomを利用してオンラインで保護者会を実施いたします。
小学生対象のオンライン保護者会では、
1)学習指導要領について
2)小学生の勉強の大切さ
3)子どものやる気を引き出す親のアプローチ
中学1、2年生対象のオンライン保護者会では、
1)高校入試について
2)定期テストの重要性
3)子どものやる気を引き出す親のアプローチ
中学3年生対象のオンライン保護者会では、
1)高校入試制度と志望校の選び方
2)進光ゼミナールの教育方針と高校合格までの流れ
3)高校3年間を充実したものにするために
高校生対象のオンライン保護者会では
1)学習指導要領について
2)評定の重要性
3)大学入試の現状について
と各学年の保護者の皆様が気になっている話題について、お話をさせていただく予定です。
私は、小学生、中学生の保護者会で『子どものやる気を引き出す親のアプローチ』というタイトルで、簡単なワークを使いながら、思春期を迎えるお子さまと、より良くコミュニケーションをとる方法、子どもたちの自己重要感(セルフエスティーム)を高めるためのヒントをお伝えしたいと考えています。
学習指導を通して、子どもたちのやる気に火をつけ、「やればできる!」を目指す進光ゼミナールの教育方針が少しでも伝わるように、オンライン保護者会の準備をしています。
『国語とは!』
皆さんこんにちは。進光ゼミナール西川田教室の岩崎です。
前々回のブログでご紹介した、教育コンサルタント中土井鉄信先生の、興味深い国語の授業のやり取りを見つけましたので、ご紹介したいと思います。
中土井鉄信先生が、とある私立高校の理事をしていた時に、夏の講習で国語の授業を担当した時に、なぜ国語を勉強するのかを生徒たちに話した内容の一部になります。
中土井 :このクラスで国語が好きな人?(手を上げる格好をして質問)
えっ!誰もいないの?
じゃあ、国語が嫌いな人?(手を上げる格好をして質問)
えっ!そんなにみんな嫌いなの!困ったな。
難しいから嫌いっていう人?(手を上げる格好をして質問)
ほとんどそうなんだ。難しいと思っているんだ。
国語は、難しいよな。先生も学生時代は、苦労した。
でも、国語ってそもそも難しいもんなんだよ。
そうしないと、役に立たないんだ。他人の気持ちって、なかなかわからないだろう。
国語は、他人の気持ちを分かるようにするための訓練なんだ。だから、易しいと現実的な役に立たないんだよ。だから、難しくしてるんだ。でもね。他人の気持ちもその人とじっくり話をしたらわかってくるだろう。国語も同じなんだよ。じっくり読んでいくと、一杯ヒントがあって、段々わかってくるんだ。君たちは、まだそのヒントの見つけ方が分かっていないだけなんだ。
だから、この講習で、そのヒントの見つけ方を教えるから。そうすれば、他人の気持ちもわかるようになるよ。国語を勉強するって、他人の気持ちを理解するための練習なんだ。
さあ、練習しよう。
こんな感じで伝えながら、授業をスタートさせたそうです。
「他人の気持ちを理解する」とても、重要で、最も難しいことかもしれません。しかし、相手が、自分の気持ちを理解しようと努力してくれている。その意識、態度が伝わるだけでも大きく相手との心の距離は縮まるのではないでしょうか。そういう大人になれるよう、これからは国語を教える際の意識を変えたと切に思いました。