皆さんこんにちは。進光ゼミナール西川田教室の岩崎です。
本日も、先週に引き続き、私が読んでいるメルマガから、より良い親子関係を築くためにヒントになるのではないかという記事をご紹介したいと思います。私も、親として、ついつい「親らしく振舞わなくては」と思いがちですが、その行動が、その考えが、実は、子どもの成長にとって障害になっているのかもしれません。

 

「子どものために何かしてやらなくては…」と親は思うことがあります。しかし、実際に行動する時には、子どもの感覚には注意が必要です。なぜなら、何かしてあげたいと強く思うほど、段々と「子どもに何かしていないと、親ではない!」という信念に代わり、親の存在価値を得るため、必要以上に、または、不必要にアプローチしてしまいがちなのです。

これは、子どもにとって迷惑だというだけでなく、親が問題だと感じる子どもの行動(親に対する反抗や親の言うことをきかない)を誘発してしまう恐れもあるのです。

「いつまでゲームしているの!早く勉強しなさい!」
「いつもでも寝ていないで早く起きなさい!」
「自分の部屋なんだから、片づけなさい!」
「忘れ物しないようにしなさい!」
「遅刻しないようにしなさい!」

などの指示命令や、子どもに足りないと感じる部分ばかりに目を向けアプローチしていると、子ども(特に思春期)は、
「なんで私のことに親は口出しをするんだ!自分のことは自分でやるし、自分のことは自分で責任を取るのに…」
と感じるようになります。

親:「遊んでばかりいないで、少しは勉強しなさい!!」
子:「わかってるよ!」
親:「何がわかってるのよ!全然、勉強しないから言ってるんじゃない!」
子:「だから、わかってるって言ってるじゃん!!!」
親:「何!?その言い方。あなたが、勉強しないから言っているんでしょ!お母さんは何か間違ったこと言ってる!?」
子:「だから、うるさいんだよ!!!」
親:「何、うるさいって!!親に向ってなんていう口のきき方なの!!!」
子:「本っ当、うるさいなー…(その場を立ち去る)」

これだけで済めばいいのですが、その後、部屋にこもったり、顔を合わせても口をきかない、無視をするようになると、オロオロしてしまう親は少なくありません。

これは、頻繁な親の指示命令が引き金になり、子どもには「自分は親にコントロールされている」という理不尽さを招き、反抗や無視を引き起こしているのです。 これは、自分の生活についてのコントロール権を廻って、権力争いを挑んだ子どもの行動なのです。「どちらが力があるのか、確かめようじゃないか!」そんな姿勢なのです。

こんな場合、子どもの態度を責めるのは禁物です。プロセスを振り返っていただければわかるように、親のアプローチに喧嘩を売る意思があろうがなかろうが、子どもにしてみれば、きっかけは親にあると感じているからです。親が子どもの態度にいらだちを感じ、なめられちゃいけないと感情的になっていると理解できたのなら、一旦、言い争いの土俵から降りることをお勧めします。

親が子どもに勝っても負けても、子どもの学びはリスキーです。「この世は力関係で成り立っている」と学び、力を得ることを目的に行動するようになってしまう可能性があるからです。

「負けるが勝ち」ということわざがあります。今、引き下がったとしても、後々、子どもが自律的に行動できるなら、勝ち負けではありませんが、親としては安心できるでしょう。

「親だから、何かしなくてはならない」から「今、そして将来の子どものために何がベターなのか」に、意識を向けてみましょう。

「子どものやる気を引き出す! 親のアプローチ(R)」vol.865(中土井鉄信著)より抜粋