雨の日に読みたい本のお話(3)
みなさんこんにちは。
進光ゼミナール西川田教室の岩崎です。
今回は、前回、前々回に引き続き、雨の日に読みたくなる本のご紹介です。
第三弾は、「死神の精度」です。
(3)「死神の精度」伊坂幸太郎
この世の中には死神がいる。
彼らは一見一般人と同じような姿をして8日後に死ぬ可能性のある人間の元へと現れる。
『死神の精度』に登場する千葉もそんな死神の一人。
彼が仕事のために地上にあらわれるときはいつも雨。
彼ら死神は、8日後に死ぬ予定である人間を7日間かけて調査し、死を実行するに適していれば『可』、何か問題があれば『見送り』と報告をする。
つまり、彼らにその人間の生死がかかっているのである。
明確な判断基準はなく、担当した死神の裁量に任せれている。
クレームの電話に悩まされる大手電機メーカーの苦情処理係の女性。
筋をとおして周りから疎まれているやくざの男。
旅行で洋館を訪れ、吹雪によって閉じ込められてしまった女性。
片思いの相手に好意をうまく伝えられず悩んでいる男性。
彼らと出会い、1週間過ごす中で、千葉は何を思うのか。
人間はだれしもいつかは死にます。
人の死というのは当たり前のことで、日常です。
死を必要以上に恐れることはなく、逆に、今生きていることこそが奇跡であり、
そこにどんな意味を見出すか、どのように生きるかが重要です。
普段、意識することのない死を介して、今を全力で生きること、
今の生き方を見つめ直す良い機会になるのではないでしょうか。