皆さんこんにちは。
進光ゼミナール西川田教室の岩崎です。

10/21(土)、22日(日)の2日間、進光ゼミナール全体で、
オンライン保護者会を開催させていただきました。
このオンライン保護者会で、私は、「子どものやる気を引き出す親のアプローチ」というタイトルでお話をさせていただきました。
オンライン保護者会でお話をさせていただいた内容を、このブログでも共有させていただこうと思い、これから数回にわたりご紹介したいと思います。

今回は、「思春期・反抗期」はなぜ起こるのか?
人間の自我形成について、ちょこっと心理学的なお話をいたします。

人間はオギャーと生まれてきて本来的な自我を持ちます。
本来的な自我というのは、世界と未分化な状態で形成されます。
世界と未分化というのは、世界と一体、もっと簡単にいうと、
神様と同じ、全ては自分の意のままになるという感覚で人間は登場してきます。

自分 以外に何もいないという状況で登場してくるわけです。
それが本来的な自我です。ですので、この本来的な自我は、
非常にわがままで自己中心的な自我です。

そして、人間は、生後6ヶ月前後からハイハイをしだします。
ハイハイをしだすろ、自分の知る世界が広がり、
どうやら自分じゃない誰かがいそうだな。ということに 少しずつ気がついてきます。

そして、生後1年経った頃から、自分の足で、立ち上がります。
立ち上がると同時に他者を発見します。
大概はお母さんを真っ先に発見して、それから周りの人たちを発見するのです。

そして、この他者の発見と同時に、自己(自分自身)が自覚されるわけです。
ここが非常に重要なポイントで、他者を理解する。発見しなければ、自己も確認できないのです。
他者あっての自己、という関係が成立しているのです。
人間にとって、他者は非常に重要な存在なのです。

他者が発見されると同時に、自己(自分自身)が自覚されるのですが、
その自己は先ほどお伝えしたように、本来的なわがままな自己なので、
ありのままの自分では、この他者と喧嘩せざるを得なくなります。
他者との軋轢(摩擦)が生まれるのですが、社会的に生きていく上では、
どうしても、それを解消しなければ生きられないわけです。

そこで、「心の中に内なる他者」として、お母さんとか、お父さんの価値観を取り込みます。
内なる他者を心の中に取り込んだら、それをモデルに「社会的な 自我」を作ります。

この「社会的な自我」が形成されるのが、だいたい3歳ぐらいと言われています。
3歳ぐらいになると、子どもは、しゃべるようになり、友達ができます。
幼児語ではなくて、大人の言葉を少しずつ喋るようになるのも3歳前後です。
こうして、子どもたちは、「社会的な自我」を作って、
徐々に幼稚園に行く、保育園に行くという形で社会的な活動に入っていきます。

子どもたちは、社会的な活動に入るまで、0歳から3歳ころまで、
子供は叱られたり、マイナスのストローク、マイナスの表現を受けることはありません。
赤ちゃんは「かわいいね」とか、大きな声で泣いていても「元気な声で泣いているね」と言われますが、「うるさいわね!静かにしてよ」とは言われません。
全て、 プラスのストロークを受けます。

そして、人間は、始めて立ち上がってから10年以上経つと、歩く達人になります。

そして、15歳前後になると、自分は 、お父さんやお母さんの奴隷ではないんだ。と考え始めるわけです。
お父さんお母さんが何でも決めなくても、僕も、私も決められるんだと、反抗期に入るわけです。
その時、無意識のうちに、内なる他者が否定されて、その内なる他者をモデルにしてできた、社会的な自我がゆらぎます。

今までの価値観が否定されるので、いろんな部分に変化がおこります。
本来的な自我と社会的な自我、これまで疑いようもなかったものが疑われるようになる。
この不安定な状態を、思春期や反抗期と言ったりします。

こうして、やっと親から離れて自分の価値観で判断できるスタートを切るわけです。
この不安定な時期に、子供と親子関係がねじれるわけです。
親は、この不安定な時期を、少しでも安定させるためには、承認活動が必要です。
当たり前に出来ていることを認められることで、他人から重要だと思われてる、
「こんな僕でも、私でも重要だと思われてる」と実感でるようになってくると、

セルフエスティームが高まります。

このとき、一番重要な他人が親です。
親から 重要だと思われていることが非常に重要です。
「お父さん、お母さんは僕のことを、私のことを理解してくれてる」と感じられると、
親関係はスムーズになります。

それを、「なんでこんな風になっちゃったんだ。昔のあなたに戻りなさい」という気持ちで、
無意識のうちに、お父さん、お母さんがアプローチしてると
「俺の気持ちを全く理解してくれなかった」と、ずっと恨みに思ってしまいます。

この恨みを持ち続けていると、そのままわだかまりが解消しないと、
子どもは、年をとっても、いつでも子供のまま、いい親にも、いい大人にもなれません。
最終的に親と和解しない限り人間は大人になれないのです。

この不安定な時期に、
「子どもたちが不安定になるのは、子どもが自立に向かうための大切な時期なのだから、
親の言うことを、素直に聞かない君でも仕方ない」ということを、
きちんと受け止め、当たり前にできてることを認める。
そうすることで、他人から僕は私は 重要だと思われてんだな。と実感し、
セルフエスティームが高まります。

セルフエスティームが高いと、他人から重要だと思われてる自分は、
何かできるのではないか、と可能性を感じるわけです。
この可能性を信じることが非常に重要で、これを自信といいます。
自分は何かできると信じること、自分の可能性を信じることが自信です。

自信の根拠なんてなくていいんです。
根拠のない自信が圧倒的に優れた自信なんです。 最初は自惚れでもいいんです。
自惚れは、痛い目にも遭うんです。
それでもめげないものが、根拠のない自信の強みです。
なぜかと言うと可能性がある。
今は失敗したけど、僕には可能性があるんだ。
次は成功するかもしれないぞ!と立ち上がっていくことができる。
それが、自分を信じる自信です。

根拠のある自信は、うまくできたから「僕は何でもできるんだ」となりますが、
うまくできなかったら何でもできるかどうか保証がありません。
うまくできたことに、よりどころを持ってる人は、
うまくできなかったらその自信が消えてしまいます。

少しくらいうまくいかなくても、
次はうまくいくだろうなと自分を信じることができるのが、セルフエスティームが高い状態です。
自分自身の可能性が信じられるようになることで、やる気が生まれまるのです。