こんにちは。進光ゼミナール西川田教室の岩崎です。
今回は、現在の中学生の学習内容(特に英語について)お話をしたいと思います。

中学1年生は、英語学習3年目!

小学校の英語教科化にともない、中学校では「小学校で英語を2年間学習したこと」を前提とした学習カリキュラムに変更されました。これにより、中1のいわゆる「入門期」とされる学習が大幅に圧縮されました。つまり、これまでアルファベットの読み書きや、簡単な自己紹介程度だった中1の最初の定期テストから、英語を読み書きできることを前提とした問題や、文法知識を問う内容が出題されるようになりました。小学校時代に英語基礎力を身につけた生徒と、そうではない生徒では、

4月時点で既に差がついているということなのです。この差を埋めることをしないままにいると、力の差がどんどん広がっていくことになります。

英語グラフ

 

 

 

 

 

上のグラフは、A中学校における中学1年生の「英語」の学年末テストの得点分布図です。驚くべきことに、最も人数が多かったのは、「20~29点」の得点層でした。また、A中学校で発表された英語の平均点は49.0点で、平均点を超えたのが全体の約47%に対し、残りの約53%は平均点以下です。

「できる生徒」と「できない生徒」の二極化が進んでいることが一目瞭然です

また、先日(2023年1月13日)、yahooの記事にも同様に、定期テストの点数が、平均点を中心に山型になるのではなく、上位層と下位層が多く中間層が少ない「ふたこぶ分布」になってきていることが書かれていました。子供たちは『聞く・話す』中心の小学校英語から、『読む・書く』中心の中学校英語への移行に対応できず苦手科目になってしまう傾向があります。

小学校5・6年生で英語が教科化され、小学校で600~700語の単語を学習している前提で授業が進み、中学3年間で2500語以上の単語の習得が求められます。これは、保護者の世代が学習した単語数の約2倍に相当します。このような中で、定期テストが実施されると、中学英語に対応できた生徒とできなかった生徒では、英語の成績に大きな差が表れるのは自然のことです。いち早く中学校英語の『読む・書く』を取り入れ、文法事項の習得に取り組むことで英語の力を上げていくことができます。では、実際のテスト問題を見てみましょう。

テスト問題例(中1中間テスト6月実施)※問題は、一部編集しています。

【問】日本語の意味に合うように(  )内を並び替え、英文を完成させなさい。

あなたは上手にギターを弾くことができますか。

( the / you  / well / can / guitar / play / ? )

これは、中1最初の中間テストです。中1のテストといえば、アルファベット大文字・小文字の書き分けが出題されていましたが、現在は文法問題 が多く出題されるようになりました。これまでのテストとは様変わりしていることがお分かりかと思います。

英語だけじゃない!各学年で扱う単元が変更、高校の範囲も登場!

新指導要領では、各学年での学習単元の配置変更があり、これまで上の学年で学習していたことが、下の学年へ降りてきています。また、内容が難しくなっただけでなく、各教科で学習する事柄が増えました。特に、日々の知識の積み重ねが大切な英語・数学は、一度つまずくと取り戻すのは大変です。日々の学習で疑問を残さないよう、しっかりとした準備が必要です。