皆さんこんにちは。
進光ゼミナール西川田教室の岩崎です。

5/27、5/28に開催いたしました、オンライン保護者会には、多くの保護者の皆様にご参加いただき感謝の気持ちでいっぱいです。
オンライン保護者会の中で、進光ゼミナールの先輩方のエピソードをいくつかご紹介させていただきましたが、思いのほか好評だったため、あらためてこちらでもご紹介したいと思います。

今回ご紹介いたしますのは、中学3年生(当時)のA君のエピソードです。

私の友人で、現在、高校野球のコーチとスカウトを担当している方がいます。その高校は甲子園にも出場していて、彼が指導した選手の中には、プロ野球選手になったり、有名高校の監督をやっている方もいらっしゃいます。その友人の話を、通塾している生徒たちに何気なく話をしたことがあったのですが、一人の生徒が、「その高校に行って野球をやりたい」と興味を持ちました。私は、なんとなく「受験勉強をせずに、野球の推薦、あわよくば特待で進学出来たら、、、」という甘い考えではないかな?!と感じたのですが、それでも、本人が強く希望していたので、私の友人にその話を伝えました。そうしたら、友人が自分の夏休みを利用して、教室まで来てくれ、私を踏まえて3人で話す機会を作ってくれました。その時に、友人が話したことが強く心に残っています。野球についての話は、私はくわしくわからないので、割愛いたしますが、彼は、A君にこう聞きました「今の成績はどれくらい? 今から、12月の模擬試験までに各教科+10点、合計50点、点数をあげること。それが最低条件だけど出来るかい?」と聞きました。A君は、「え?野球じゃなくて、勉強ですか?」と聞き返しました。そこで、私の友人はこう言いました「野球がどれだけ好きでも、プロになって野球だけでメシを食える選手はほんの一握りしかいないし、プロになったとしても、現役の選手である期間よりも、引退して選手ではない時間の方が多いのだよ。多くの人たちが、選手としてではなく、別の人生を歩んでいく。その時に、野球しかしてこなかったから、何もできません。なんてことにはなってほしくない。今は、大学の進学率が55%を超えていて、短大や専門学校への進学も含めたら80%以上の生徒が高校卒業後もその先へと進学している。だから、勉強も疎かにしちゃいけないし、僕たちは、野球部全員、大学進学を目指して指導していて、勉強と野球の両立を目指している。高校の試験で赤点を取ったら、部活にも参加できなくなるし、中学校の勉強がきちんと身についていなかったら、うちの学校に来ても、テストの補習に追われて野球ができなくなってしまう。それでは本末転倒だし、なによりも君の将来の可能性が限られてしまう。だから勉強は疎かにしないで欲しい」、「それと、人生には「やりたいこと」と「やらなきゃいけないこと」がある。君のお父さんやお母さんは、体調が少しくらい悪くても、仕事にいき、君のための食事を作り、身のまわりのことをやってくれるだろう。さらに、(野球の)遠征の時には、君のために送り迎えをしてくれるんだろう? お父さんやお母さんだって、体調が悪い日や、やる気が起きない日だってあるはずだよ。それでも君のために、家族のために、ときに自分のやりたいことを我慢して、いろいろなことをやっていると思う。それが、大人になるってことなんじゃないかと思う。君は今は学生だ。学生の本文は学業であり、得意、不得意はあるかもしれないが、自分の本業から逃げずに、全力で向き合うことが必要なんじゃないか、だから、もう一度、よく考えて、それでも興味があるなら、連絡して」、と言葉をかけていました。

A君との3者面談のあと、友人と2人で食事をした際に、「+50点て厳しくないか?」と聞いたところ、笑いながら「あそこで即答できるくらいの意気込みが欲しいよね。野球のためなら、何が何でも点数をあげる!そう思えなかった時点で、まだ、覚悟は決まってなかったんじゃないかな」と話していました。何か打ち込むことがあるのは、本当によいことだと思います。しかし、自分の将来のためにも、勉強を疎かにせず、「やりたいこと」と「やらなければいけないこと」をしっかりとわけ、メリハリをつけて両立をさせることが重要なんだと思います。今は、高学歴化が進み、大学進学率は1990年の33.4%から2021年54.4%と1.6倍にもなりました。今のうちから、大学進学も含めて将来の準備をしていくことが、子どもたちの将来の可能性を広げることにつながるというのは、私にとっても、とても心引き締まる話でした。

「あれ」か「これ」かではなく、「あれ」も「これ」もがんばる人になろう!