こんにちは!

鶴田北教室の菊池です。

 

いよいよ、ゴールデンウイークですね。

鶴田北教室は、4月27日から5月5日まで休みとなります。

 

生徒達からは、

「部活動で遠征する」

「クラブチームの大会がある」

「家族で旅行する」

「友人とたくさん遊ぶ」など、

それぞれの過ごし方を聞かされました。

 

ただ、どの生徒にも、

「夜更かしせず、規則正しく生活する」よう伝えました。

GWは長いようで、あっという間に過ぎてしまいます。

数日の生活の乱れが、GW明けに影響してしまうので、

普段通りの生活リズムで、楽しく、GWを過ごしてほしいと思います。

そして、GW明け、また元気な姿を私達に見せてほしいと思います。

 

そして、昨年度も、この時期にブログで書きましたが、

ぜひ、生徒達には、GW中に一冊本を読み、

読書する習慣をつけてほしいと思います。

 

昨年のブログで、読書のメリットは以下の3点であると書きました。

①言葉の知識が増える

②読解力が向上する

③共感力を持てる

 

そして、もう一点、「過ちから学ぶこと」ができます。

 

生徒達は、日々多くのことに挑戦しています。

その中で失敗することもあるでしょう。

しかし、その失敗から多くのことを学び、それが成長の糧となります。

生徒達には、「何も恐れず、新しいことに挑戦してほしい」と願っています。

 

反面、「やってはいけない失敗」もあります。

人をいじめる、陰で誹謗中傷する、傷害を負わせるなどです。

たった一度の過ちが、周りの人と自分の人生に深い傷をもたらすことになるのです。

生徒達には幸せな人生を歩んでほしいと願っています。

だからこそ、読書を通じて、

「周りの人に迷惑をかけない思いやりのある心」を育んでほしいのです。

 

一昨年、私が中学3年生の入試特訓で国語を教えていた時、

芥川賞作家の三浦哲郎氏が書いた「たきび」という小説と出会いました。

国語の入試問題は、変な主観を入れずに、

本文に書かれていることをもとに答案を作ります。

教える側としても、その点に気を付けなければならないので、

題材そのものに深入りすることはありません。

しかし、この小説に関しては、読み終えた後、

複雑な感情が沸いたことを覚えています。

 

主人公の男の子が、中学三年生の秋の終わり頃、

町内会の清掃活動に参加したときの場面が描かれていました。

参加者達は、公園の清掃で集められた落ち葉で、焚火をしていました。

主人公の男の子は、悪戯で、年下の子たちを驚かせようと、

懐に忍ばせていた栗を、こっそりと焚火に投げ入れました。

それが悲劇を生んでしまいました。

ものすごい勢いではじけた栗が、年下の女の子の目に直撃し、

その女の子は残念ながら失明してしまいました。

主人公は、申し訳ない気持ちを持ちながらも、

打ち明ける勇気を持てずに、知らぬ風をして、月日が流れました。

しかしながら、年を重ねるごとに、呵責に苛まれ、

彼が大学時代の夏、彼女と再会したときに、

自身のいたずらを告白しました。

すると、彼女は笑顔で、

「打ち明けてくれるのを待っていた」

「(主人公が)栗を焚火に入れるのを見ていた」

「私は誰にもあなたの行為を告げなかった」

「私はただ運が悪かった。あなたを悪者にしたくなかった。」

と主人公に告げ、彼はその言葉に救われ、彼女に好意を抱き、

思わず、『女の子の手を握った』というところで、

小説の読解問題文は終わりました。

 

この物語を読んで、

私は「現実社会では、こんな綺麗事で済むはずない」と感じました。

間違いなく、過失傷害罪に問われることになります。

また、「勇気がなかった」という理由があるにせよ、

自分の過ちを、すぐに詫びなかったというのも許しがたい行為です。

また、主人公の少年は、

「燃え盛る火の中に栗を入れる危険」を軽視していたのでしょう。

もしも、彼が、この「たきび」のような小説を読んでいたら、

このような悪戯をしなかったかもしれません。

 

物語の女の子と主人公はともに大変辛い経験をしました。

私は、主人公の過ちから、強烈な学びを得ました。

「自分の行為には責任を持て」ということです。

「今からやろうとしている行為は、周りの人を幸せにするものなのか?」

「周りの人間に迷惑を掛けはしないか?」

私は「たきび」という小説から、

本能的な行動をコントロールする理性を養うことが大切だと感じました。

 

生徒達には、読書を通じて、

幸せな人生を歩むために必要なことを学んでほしいと思います。

「自分さえ良ければ何をやってもいい」という、

自己中心的で本能的な行為を優先させる生き方は、必ず不幸を招きます。

物事の善悪を正しく判別でき、周りの人を思いやることができれば、

多くの人が共感し、自分のもとに集まってきます。

 

多感な今だからこそ、生徒達には、本を一冊でも多く読んで、

今までなかった「気付き」や「学び」を得てほしいと思います。