こんにちは、進光ゼミナール江曽島教室 室長の山城です。
先日、授業前の休み時間に、塾生のNくんが、おもむろに室長ブースの椅子に座って、私にこんな相談をしてくれました。
「入部したら思った以上に辛くて、部活を辞めたいと考えている。だけど、部員が不足しているせいで、辞めづらい雰囲気がある」。
私は「N君に、もしその部活のスポーツ自体を今後も続けたいなら、辛いと感じている今の時期は、もしかしたら次のレベルに上がる為の成長痛にあたる時期なのかも知れないね。N君は、そのスポーツが楽しいの?この後も続けたいと思う?」と聞くと、彼は首を横に振りました。
「なら、やりたいと思うことに全力を注いだ方が良い」と伝えましたが、N君は「辞めちゃダメな雰囲気が強くて、辞めれないですよどうせ」と返すばかりで、同じようなやりとりをする形で、約2ヶ月ほど相談に乗っていました。
すると先日、N君は教室に走って入って来るなり「辞められましたよ部活!!!!!」と報告しに来てくれました。
もちろん、部活を辞めることが良いこと、というわけではありませんが、彼は日頃から「理不尽な叱られ方をされてしまうことが多い」と話してくれていて、私も彼と話していて自己肯定感・他者信頼感の低さを強く感じていました。
そうした殻を破り、「自分の責任を全うすれば、自分が選びたい道を選択していいんだ」というマインドを持ってもらえる機会に触れて欲しいな、と私は考え、彼と接していました。
・「叱られて育った人は叱られ慣れているから打たれ強い。仕事で失敗しても立ち直れる」
・「ほめられて育った人は打たれ弱い。失敗すると立ち直れない」
という見解を世間ではよく耳にします。
ただ、レジリエンスの研究で「ほめられて育った人の方が自己肯定感も他者信頼感も高いので、失敗から立ち直れる可能性も高い」ということが分かった、という話を先日 私は聞きました。
こうした日常のコミュニケーションの影響を子どもは受けやすいが故に、大人はそれを考えた上で、接することが大切であると感じました。
彼は、部活を辞めた後、「その時間を学習に回したい」と話してくれていて、夏休み明けから、今まで受講していた塾授業に加え、新たに2科目を受講してくれることになっています。
理由を聞くと「大学に行きたいから」と話してくれました。それまで、将来の夢を聞いても「ない」だとか「う~ん」といった返答が返って来ていましたが、今は「ちゃんと独り立ちできるだけの生活費を自分で稼げるようになって、一人で自由度の高い生活をしてみたい。大学を卒業した人とそうでない人だとお給料も全然違う場合があるって、塾で先生が言ってたから、大学に行きたい」と答えてくれています。
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