2021年総合1位「もっとも売れた本」はアンデシュ・ハンセン著「スマホ脳」となりました。2020年11月に刊行後、部数を伸ばし続け、累計発売部数は60万部を突破したようです。

「スマホ脳」は、スマホをはじめとするデジタル機器が人間の脳に与える影響を、膨大な研究結果からスウェーデンの精神科医である著者がわかりやすく伝えた本で。世界16か国で発売され、日本でも発売当初から各書店チェーンが展開し、数々のメディアに取り上げられました。また、教育大国スウェーデンでは、学力低下、記憶力減退、うつ、睡眠障害、依存といった数多くの悪影響を指摘し、社会現象といえる反響を呼びました。

同書が支持を得た背景には、コロナ禍により自宅で過ごす時間が増え、デジタルツールとの接触時間が増えたこと。そして「GIGAスクール構想」の前倒し等、「デジタルツールの悪影響」への懸念が社会的に高まったことがあるようです。

著者のハンセン氏は、「日本の読者が『スマホ脳』に関心を示してくださったことに深く感謝します。コロナ禍が収まらぬ中、デジタルツールの役割は増すばかりです。しかし、だからこそ私たち人類はデジタルに『支配される』のではなく、『使いこなす』方法をあらためて考えなければなりません。その議論のきっかけに本書がなれば光栄です」とコメントしています。