こんにちは、西川田教室の岸井です。
きょうは日中とても暖かくなりましたが、日が暮れて一気に冷え込んできました。季節は春になろうとしていますが、まだ冬にも名残があるようです。
わたしは、再発性の腫瘍ができるとある病気で、これまでに手術をしています(突然の告白になり、驚かせてしまい、申し訳ありません(笑))。小学1年生のときと、中学3年生、高校3年生、大学3年生の計4回です。ラスト3回が3年おきで、昨年の夏が最後の手術から3年目だったのですが、検査の結果、お陰様で問題なしでした。
週末両親とゆっくり話す機会があり、なんでか手術の時の話になったのですが、おかしなことが判明したのです。それは、鮮明に覚えている手術・入院の記憶が、高校生の時のことであることです。初めての時のものでも、最新の時のものでもなく、です。
小学生の時のものは、よく当時書いていた絵日記を見返すので、自発的に〈覚えている〉というよりは受動的に〈思い出しやすくなっている〉状態。中学生の時は、その時にその病気だと改めて診断されたこともあり、学校をほぼ毎日早退していたためか、その記憶があります。そして、鮮明に覚えている高校生の時。しかし、大学生の時のことに関しては本当にあまり覚えていないのです。
記憶というのは、新しいものの方が覚えているものです。なのになぜ、大学生の時の記憶がないのか、何をやってたか、ちょっと考えたところ、当時SNSにハマっていたことを思い出しました。
気になったことや、近況をサクッと友人にシェアできる、SNS(当時はFacebookの更新に命を懸けていた気がします)。入院生活の中で思うこと、見つけたことを随時アップしていたのです。
スマートフォン、今や肌身離さず持ち歩く人が多いと思います。その手軽さゆえに、当時の自分としては「あとで見返せるように」という意味も込めて投稿していたはずです。しかしそれが仇となったことが10年弱経った今やっと判明したわけです。
自分で記録していれば、しっかり覚えているように思いますが、SNSの持つ「手軽さ」ゆえに、実際にその時の思ったこと等は忘れてしまっていたのです。
これは本当に怖いなと思いました。
よく
さっさと覚えたことは、さっさと忘れやすい。
なかなか覚えられず、時間をかけて覚えたことは、忘れにくい。
なんてことを言われますが、本当にその通りです。
わたしは教室で、授業の記録を日々書きますが、書いている途中に誤字などは気づき、最終的に誤字はほとんどない状態になります。このブログはスマホでアップすることが多いのですが、いざ見返してみると、誤字や漢字変換ミスがたくさん見つかります。
スマホでの入力は手軽である故に忘れやすい、間違えも気にしない傾向にあるのかなと思います。なにかとめんどくさい勉強ですが、そのめんどくさい行程を乗り越えてこそ、本物の知識が手に入るのです。一緒に頑張りましょう!
p.s.
なぜ高校生の時のことを覚えているのかも改めて考えてみました。私がお世話になっている病院は素敵な先生がたくさんいらっしゃるのですが、高校生の時の病棟の先生とは、ずば抜けて仲良くしていただいていました。その先生の話をよく家族にしていたり、その先生にお話をしたり、していたことが効いているのかな、と思います。
よく「教わったことを人に伝えると定着する」などと言いますが、それもまさにその通り、ということでした。