今回は、学力にまつわることに関して書きたいと思います。

昨今は、学力の高い人が人間的にも上で、

学力の低い人が人間的にも下だという風潮があるような感じがしますが、

決してそんなことはありません。

学力が高くても低くても、一人前の大人になることが重要です。

知識の獲得競争に向いている人もいれば、向いていない人もいます。

知識を活用することに長けている人間もいれば、そうでない人間もいるのです。

子どもの一時期をそういう単純な価値観で縛ってはいけないと思います。

 

学校教育で重要なことは、学力を獲得するということではなく、

学力を獲得する過程の中で、さまざまなことを経験することにあると思います。

学力を獲得することが目的ではなく、学力を獲得しようと格闘する中で、

身につける社会性が重要なのです。

この社会性こそ、一人前の大人になるということにつながっていくのです。

目の前にある課題に対して誠実に対応するとか、

見本になる人の真似をすることで、見本となる中身が自分の中に入ってくるとか、

そういう経験が重要です。

学びの基本動作を学ぶことで、子どもから責任ある社会の構成メンバーとなり、

現実から学んでいけるようになることが重要なことなのです。

単なる学力獲得忠誠競争に勝利することが、学校教育の教育効果ではないのです。

そのことを忘れてはいけません。しかし、昨今の風潮は、

それを忘れてしまっているように思えるのです。

 

学力という基準だけで、子どもを評価してはいけません。

他人に対する共感力や相互扶助的な行動力や問題解決能力などの基準で、

子どもを多元的に評価していくべきなのです。

そうすれば、子どもはきっと今よりも、もっと活き活きするはずです。

子どもを一面的に学力で評価しないようにしたいものです。