今日は、西川田教室の講師から借りた
伊坂幸太郎の「チルドレン」より、家庭裁判所の調査官をしている陣内という登場人物の言葉をご紹介します。

「少年と向かい合うのに、心理学も社会学もないっつうの。あいつらは統計じゃないし、数学でも化学式でもない。だろ?それに、誰だって自分だけはオリジナルな人間だと思ってるんだよ。誰かに似ているなんて言われるのはまっぴらなんだ。俺は、ジョン・レノンに似ていると言われるのだって我慢できないね。それなのに調査官が、「ああ、こいつはこういう家庭環境のパターンね」「これは以前扱った非行と同じケースだね」なんて型にはめられたら、愉快なわけがない。だろ? バレンタインデーで、周りの男と同じチョコをもらうのと同じだよ。好きな子からもらって、喜んで開けたら、みんながもらっている義理チョコと一緒だった、というのと、同じくらいの悲劇だよ。悲劇は不要だ。調査官は、担当する少年が、「他の誰にも似ていない、世界で一人きりの奴」だと思って、向かい合わないと駄目なんだよ」

私たち大人はついつい子供たちを、陣内の言葉を借りるなら「型」にはめたり、「同じチョコレート」のように見てしまいがちです。その子は世界に一人しかいないスペシャルな存在であり、スペシャルな一人一人のために全力で向き合い、言葉をかけなくてはいけないと、この本を読み、改めて感じました。

この本を貸してくれた講師に感謝するとともに、借りてから1か月以上たつのに、
まだ読み終わらず、返せないことをこの場を借りてお詫び申し上げます。(笑

それと皆様、
9月22(木)、23(金)、24(土)、25日(日)は休塾です。