塾で保護者面談や生徒面談をしていると、子どもが小学校高学年~中学生になると、

保護者からは、「子どもが言うことをきかない」、

子どもたちからは、「親はいちいちうるさい」という話をよく耳にします。

(それは、それは耳にタコができるほどよく聞きます!)

とくに、正義感の強いお母さんは、子どもに対しても正義を通そうとする傾向が強いようです。

子どもは小さな大人だとは言っても、それほど言語活動が発達しているわけではないですから、

お母さんのロジックに勝てるわけがありません。色々抵抗はしていても、結局のところは、

口でやり込められてしまうことが多いのではないでしょうか。

往々にして、正義感の強いお母さんは、子どもに敗北感を負わせながら、

子育てをしているようなところがあります。これは傍から見ていると、

お母さんと子どもの主導権争いそのものなのですが、

お母さんは、それにどういうわけかなかなか気が付かないのです。

子どもと主導権争いをしても、何もならないのですから、自分を冷静に見るべきなのですが、

それがなかなか難しいようです。

(偉そうに言っている私も、生徒と主導権争いをしてしまうことが多々あります。

というか、毎日のように主導権争いをしてしまっています。)

たいていの場合、こういった主導権争いは、

「勉強などのやるべきことを先にやらせたい」大人と、

「やりたいことを先にやりたい」子どもとの対立の構図になっていることが多いと思います。

例えば、今すぐに友だちと遊びたい子どもと、

遊びに行く前に宿題を終わらせたいお母さんとの争いは、

どこのご家庭でも、しばしば起こるのではないでしょうか?

このような争いが繰り広げられたら、これは宿題をやらせたいお母さんと、

すぐに遊びに行きたい子どもの力関係の争いになっているのです。

無理やり宿題をやらせたところで結果は知れています。勉強にならないはずです。

だとすれば、裏切られる約束かもしれませんが、

遊びに行った後で宿題をすることを約束させ、その約束を子どもがどう実行するのかで、

話し合いを持ってみてはどうでしょう。

言い争いの最中にシロクロ決着をつける必要はないのです。

子どもを言い負かしても良いことはありません。親が大人になることです。

主導権争いから一歩身を引いてみてください。